「カット野菜は危険。やめた方がいい」の噂を徹底検証してみた
※記事内に広告を含む場合があります
当サイトは更新を終了しました。
長きにわたり当サイトを愛読、応援くださった方々には誠に感謝しております。
※この記事の内容は執筆時点のものです。サービス内容・料金など、現時点の最新情報とは異なる場合がございます。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
最近はスーパーやコンビニで多く売られるようになったカット野菜。
一袋100円以下で買えるので、ちょっと炒め物やサラダが食べたい時に使うと便利です。
しかしながら「カット野菜は危険」「やめた方がいい」なんて話も良く見ます。
その理由としては「カット野菜がいつまでもパリパリで新鮮な状態であるのがおかしい」「カット野菜は薬品漬けにされている」というもの。
本当にカット野菜は危険なのでしょうか?
カット野菜の製造方法から、その危険性・安全性を検証してみます。
カット野菜の作り方
カット野菜は主に専門の加工工場で作られます。
カット野菜の品質低下を防ぐ為、加工工場では原料となる野菜と、加工で使用される機器の洗浄・殺菌が徹底されています。
野菜は地下水や水道水で予備洗浄されます。
予備洗浄をすることで、野菜についている土の除去と野菜の温度を下げて品質低下を防ぎます。きちんとした洗浄を行なうことで、微生物の数を大幅に減らし、殺菌と同様の効果が得られます。
カット前か後、または両方で、野菜の洗浄(殺菌)を行ないます。
カット野菜の殺菌剤として主に使われるのが、次亜塩酸ナトリウム(塩素系殺菌剤)です。
次亜塩酸ナトリウムはカット野菜などの洗浄以外にも、家庭用の塩素系漂白剤・殺菌剤としても利用されています。
食品添加物は安全保証済み
カット野菜の袋を開けた時に、塩素っぽいニオイがすることがありますが、この次亜塩酸ナトリウムが原因です。次亜塩酸ナトリウムは食品添加物として認可されているので、安全性は保証されています。
カット野菜は何度も水や次亜塩酸ナトリウムによる洗浄を繰り返しますが、これは微生物や菌を除去することで、危険性を排除し、安全な商品にする為に欠かせない作業です。
また食品の変色を防ぎ、鮮度維持を目的にpH調整剤が使われることがあります。
主な添加物としてはクエン酸、グルコン酸、コハク酸など。
次亜塩酸ナトリウム、pH調整剤は食品添加物ですが、調査・検査の結果、食べても安全なものを国が認可しているので、食べても健康を害することはありません。
結論「品質的には充分に安全」
「カット野菜は危険か安全か」と問われたら「品質的に問題なし、むしろ安全」と答える他ありません。
カット野菜の加工工場では、一般のキッチンでは考えられないくらい衛生管理がしっかりとしています。
O157やO148などの食中毒は、肉や魚を切ったまな板を洗わずに野菜を切ったり、手を洗わずに調理したりすることで、菌が食品に繁殖して起こります。特に7~9月の夏場は特に食中毒が発生しやすい時期です。
衛生管理が整った加工工場で作られたカット野菜を使った方が、殺菌消毒がきちんとされている分、安全だと言えます。
そもそもチェーン店の飲食店で出されている料理のほとんどの野菜は、業務用に作られたカット野菜が使われています。またデパ地下やスーパーのお惣菜も、カット野菜が使われていることが多いです。
「カット野菜は危険」と言う人は、外食や中食も控えた方が良いでしょう。
カット野菜は安全だと言っても、やはり食品添加物は気になるもの。
普段は丸ごとの野菜を買って調理する。時間が無い時や、ちょっと炒めものが食べたい時にカット野菜を利用する、と言う風に使い分けるのがベストです。
関連リンク:JFIA一般財団法人 食品産業センター「HACCP手法によるカット野菜の衛生管理マニュアル」