薬品だけじゃない!3通りのカット野菜の殺菌方法
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「カット野菜は薬品漬け」なんて言い方をされることが多いですが、実はカット野菜の殺菌方法は薬品以外に様々あります。
カット野菜、特に生野菜タイプで使われている殺菌方法についてまとめてみました。
カット野菜の殺菌方法
カット野菜の殺菌処理として、多く使われている方法は2種類あります。
- 次亜塩素酸ナトリウム溶液(200mg/Lで5分間、または100mg/L10分間)に浸けて殺菌
- 加熱できる野菜は75度で1分以上加熱
生食用のサラダや炒め物用のカット野菜は生野菜なので、次亜塩素酸ナトリウム(別名:次亜塩素酸ソーダ)を使って殺菌されている可能性が高いです。
次亜塩素酸ナトリウムを使った殺菌
次亜塩素酸ナトリウムは塩素系殺菌剤の一種で、野菜の洗浄・殺菌に多く使われている食品添加物です。
カットした野菜を数分間次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸すことで、野菜に付いている菌などを除去・殺菌します。カット野菜はその切り口から雑菌が増えやすいので、その防止も兼ねています。
次亜塩素酸ナトリウム溶液に浸した後は水で洗浄します。
その後、醸造酢やフマル酸などの酸性剤で制菌操作を行ない、水切り包装されて出荷されます。酸性剤は、pH調整剤として表示されます。
しかしながら、次亜塩素酸ナトリウム特有の塩素のニオイが残ることもあります。
買ってきたカット野菜の袋を開けた時に、塩素っぽいニオイがしたら、そのカット野菜には次亜塩素酸ナトリウムが使われていると思って間違いないでしょう。
カット野菜のパッケージには「次亜塩素酸ナトリウム」とは一切書かれていませんが、これは表示が免除されているから。
次亜塩素酸ナトリウムは食品添加物ですが、加工助剤(食品加工の際には使用しているが完成する前に除去されるものや、食品に影響を与える程度の量ではないもの)なので表示義務がありません。
オゾンによる殺菌
次亜塩素酸ナトリウム以外にも、オゾン(O3)を使った殺菌方法もあります。
オゾンは酸化力が強いので、微生物の増殖を防ぎ、脱臭、脱色、有機物の除去にも効果があります。
カットした野菜をオゾンを溶かした水(オゾン水)に浸けて殺菌します。
使用後の洗浄も不要で、しかも食材の味を損ねにくいことが特徴です。
オゾン水には殺菌作用があり、感染症や皮膚炎などに効果があるとされ、医療機関や家庭で広く使われています。
また東京都水道局や大阪市水道局で、水道水の殺菌方法としてオゾンが利用されているなど、安全性が高いです。
電解水による殺菌
最近では電解水の利用にも注目が集まっています。
電解水とは塩化ナトリウムを加えて電気分解することでできる水のことです。
電解水の中で、強酸性電解水と弱酸性電解水(微酸性電解水)の2種類が殺菌効果があります。
強酸性電解水の主成分は次亜塩素酸で、これは食品添加物として利用できない為、弱酸性電解水がカット野菜の殺菌に使われています。
弱酸性電解水は次亜塩素酸ナトリウムと比べて、殺菌効果がは同レベルです。
しかしながら、次亜塩素酸ナトリウムにはない多くの特徴やメリットが有ります。
無味無臭で塩素などのニオイもせず、すすぎも要りません。
また塩酸特有の手荒れの心配もなく、弱酸性電解水自体の安全性が高いので、間違って目や口に入っても危険性はありません。
安全性が高く、低コストで利用でき、水による洗浄など作業の省略もできるので、これからのカット野菜では弱酸性電解水が主に使われるようになるのではないでしょうか。
「薬品漬けだから危険」は過去の話になる
カット野菜の殺菌方法には、確かに次亜塩素酸ナトリウムという食品添加物であり薬品ともいえるものが使われています。
将来的にはオゾン水や弱酸性電解水などの非薬品の利用が進み「カット野菜は薬品漬けで危険」と言われるようになるのは、過去の話になるかもしれません。